マコトのにっきちょう

日記は趣味の範囲で(笑)

「破戒」という本を読み始めた。

最近、近代文学にはまっていて、読むたびに理解しきれない、読み取れていない部分もたくさんあるのだが、それ以上に文章の深みがあって面白い。
また一度買っておくと、歳をとってもまた気になったタイミングで読み返すことができるので便利である。内容のうすい本というのは、読み返したいというタイミングがやってこない。なので、読んでみて充分に理解できたと思う本は、古本屋に売るか、誰かにあげるかにしている。こうでもしないと本は増えていく一方で、管理が難しくなってしまう。
「破戒」という本はほとんど内容を知らない状態で手にとった。江戸時代の身分制度にて”えた”という身分に押しやられ、差別を受け続けた人たちがいる。主人公もその”えた”なのだが、身分制度がなくなった後でも、その只ならぬ差別は消えておらず、自分が”えた”出身であることは誰にも告げてはならないという父の教えを守りながら、教師を営んでいる。というところから始まる。
現代では、周りにそういった昔の身分制度の名残がある差別を見るようや場面はほとんどない。私も30年ほど生きてきて、一度もなかった。しかし、中学生の頃の社会の先生の話で印象に残っていることがあって、結婚するときになって、えたであることを相手の家族に告げると、その親戚などから結婚をやめてほしいなどと言われることがあるということだ。
やはり年代が上のかたになるほど、そういった意識は少し残っているのかもしれない。約300年前の制度が現代に与える影響は、その当時その制度をつくった人の想像以上に根強く生き残っていて、それによって苦しんでいる人が今もいるということを心に留めておこうと思いました。